実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2015年05月02日

金融業界からの資金調達を諦めなければならない状態とはE アセットファイナンス 不動産

昨日は少しニッチなパチンコホールやラブホテル案件でよくご相談がある土地を伴わない店舗の流動化の話をさせていただきました。

今日は、より広い範囲の会社にも適用できる不動産の流動化です。

不動産の流動化(証券化)については大手信託銀行でもやっていますし、大手不動産会社でも、バリューアップが可能な不動産なら積極的に行われています。

不動産の流動化のメリットは、次のようなものです。 

1.リスクの転嫁
銀行ローンの金利上昇リスク、不動産などの価格下落リスク等の転嫁

2.低コストの資金調達
不動産保有者の信用力が低く、コーポレートファイナンス(デットファイナンス)で有利な資金調達が困難な場合でも、証券化対象資産自体の信用力(アセットファイナンス)を使って有利な資金調達が可能。

3.BSの改善(オフバランスの効果がある)
銀行融資が可能になる場合があります。
なぜかと言うと、次のような効果が期待できるからです。

・自己資本比率が増加する。
・固定比率(固定資産/自己資本×100%)が減少する。
・資本負債比率が減少する。
・ 総資産利益率が改善する。  
本来、不動産の証券化は資金調達手段としてできましたが、現実的にはオフバランス効果を得ることを主目的とした証券化も、かなり行われています。

確かに相当な規模で安定した収益が見込める不動産については、大手の信託銀行や大手不動産会社の不動産証券化の対象になりますが、事業の業績が悪化し、自社ビルや工場などの事業用不動産や経営者の自宅を対象に考えた救済型の不動産の流動化を考えた場合、証券化などと言うようなものではなく、実質的には不動産のセール&リースバックのような、いわゆる遡及型の期間3年から5年ぐらいのリーコースローンのようなスタイルになることがほとんどです。

実際、この事業を専門にやっている、その道では有名なファイナンス会社もありますが、問題は賃料が買取額の10%が最低条件だということです。

事業が上手く行っていない会社にとって、買い取ってもらって資金調達はできたのは良いとして、よほど事業再生計画が見えていないと、賃料10%と言うのは途中で賃料が支払えなくなる懸念が高く、状況によっては利用価値はありますが、利用しない方が良かったと言うようなケースも想定できます。  

利用しにくい資金調達方法なのになぜ紹介したかと言うと、でも、本当に闇金でも行かないとどうしようもない会社にとって、もし、不動産投資や経営者の自宅への高額投資が、その原因となっている場合、一つの有力な考え方ではあるからです。

私が理事を務める社団は、先ほど紹介した不動産のセール&リースバックをサービスしているファイナンス会社とも非常に懇意なのでアレンジは可能ですし、本当に良い不動産なら、投資しても良いと言う投資会社や投資家は他にもいます。

ただ、共済型の不動産流動化は、よほど良い不動産でないと賃料はやはり10%程度は求められますので、私としては、条件が合わない案件でのアレンジは慎重にしています。 

ただ、救済型よりも、もう少し手前の状況にある会社にとっては、不動産の会社資産に占める割合にもよりますが、不動産を流動化すれば、劇的にBSが綺麗になります。

要は自己資本比率が好転するし、長期債務比率(中小企業の資金調達 4 融資余力 )も下がって、銀行融資の可能性が一段と高くなる効果があります。 

最後に、大手信託銀行や大手不動産の不動産流動化(証券化)と言ったレベルではない、多くの中小企業が現実的に利用が可能な、資金調達、あるいは財務内容の改善ができる、不動産のセール&リースバックの可否のポイントは次の通りです。

・流動性が高く、ある程度の収益性が期待できる不動産であること

・不動産売却価格の10%以上の賃料支払が可能なこと

posted by bhycom at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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