実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2015年02月16日

急増する仕入資金の調達 @

前年対比10%程度の売上増に見合う仕入資金の調達であれば、銀行取引だけで必要資金の調達は可能です。

しかしながら、前年対比50%増とか100%増となると、多くの場合、銀行からの融資ではまかないきれません。

小泉竹中による金融の改悪で、中小企業の将来のポテンシャルを期待して融資する、俗に言う「支店長決済」という過去の実績のとらわれない融資制度がなくなってから、銀行だけでは急成長する中小企業への資金ニーズを満足させることができなくなってしまいました。

この現状を踏まえて、急成長する中小企業はどのように、仕入資金の調達を考えればいいのかというのが今回からのテーマです。 

第1回目の今回は、仕入と販売のタイミングにより仕入資金の調達は大きく違うということをご案内します。

仕入資金といっても大きく分けると2つのタイプがあります。

@受注して完成品を仕入、そう時間を経過しない時期に販売して、すぐに売掛金が確定債権化する場合。

A受注してから製造をスタートして、販売するまでに2ヶ月とか3ヶ月という時間がかかる場合。

多くの経営者の方は、@でもAでも、そう変わらないと思われるかも知れません。

でも、金融上は大きく違います。

それは、Aの場合は、受注段階で製造に必要な資金をファイナンスしても、本当に販売できる製品が完成し、納期どおりに納品できるのかどうかという、いわゆる未完成リスク、未納品リスクの問題が生じます。

つまり、@の場合ですと、販売先の信用力がもっとも重要な審査ポイントになりますが、Aの場合は、販売先の審査に加えて、製造を依頼した先の、会社の信用にプラスして、その会社の製造実績や技術力を審査する必要が出てきます。

また、融資した会社と製造先の関係から、納期どおり製造させられるのかどうかという問題も出てきます。

つまり、平たく言えば、受注して、その受注に必要な製造にかかわる資金を融資しても、販売先が必要とする製品を契約した納期どおりに納品できず、融資金を回収できないというリスクがないかどうかの審査が必要になるのです。

この部分の審査は金融各社からすれば、ある意味専門外で、非常に判断が難しいところです。 

だから、@のケースの資金調達は比較的簡単です。

でも、Aのケースの資金調達の難易度は相当高くなります。

特に、製造委託先が海外企業となると、さらにカントリーリスクなどで、さらに難しくなります。

現状だと、製造委託先が中国や韓国の企業となると、ほぼ銀行以外からの調達はNGというほど難しくなります。

つまり、仕入資金の調達を考える会社の与信が相当高く、取引銀行からの無担保融資が可能なレベルでないと難しい状況になっています。 

だから、戦略的な資金調達という観点でいえば、与信も資金調達力も低い会社は、海外で製造して輸入して日本国内の顧客に販売するビジネスモデルは、現実的に、非常に難しいのです。

特に、売上が急増し製造資金も急増する状況には対応できないということになります。

でも現実的には、売上が急増する会社の経営者はなんとかなると考えがちで、このような認識のなさがトラブルを生みます。

受注をセーブしなければならないとか、受注は受けたものの、製造ができず、経常的な納品遅れが生じてしまうような状況を作ってしまうのです。

要は販売先からの信用力をなくして事業がうまくいかなくなってしまいがちなのです。

今日お伝えしたいことは、海外で製造して日本国内に販売するビジネスモデルは、よほど自己資金があるか、与信が高くないと、大幅な受注には応じきれず破綻する懸念が高いということを認識していただきたいのです。

posted by bhycom at 02:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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