実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年12月05日

中小企業の資金調達 25 取引銀行に融資を断られたら 13 仕入資金調達A

取引銀行に融資を断られた時の仕入資金の調達の実践編です。

仕入資金の資金調達は大きく2つに分けて考えるようにしています。
@すぐに売掛金として確定債権化できる場合
Aすぐに売掛金として確定債権化できない場合

まずあなたの会社の場合、この二つのどちらになるかを確認してみてください。
この部分をお客様が理解整理できていないことがけっこう多いので、あなたの会社の仕入資金の資金調達は、どちらのタイプなのか?あるいは両方あるのか?と言う部分をまず整理していただきたいと思います。

@すぐに売掛金として確定債権化できる場合
仕入をして、すぐに販売できる場合がこれに該当します。
仕入資金が必要な仕入が、原材料の仕入ではない、商品、つまり完成品の仕入で、そのまま販売先に販売できるケースです。
このような場合は、仕入資金の調達は売掛担保融資かファクタリングで対応可能です。
次の記事をご参照ください。

中小企業の資金調達 13 取引銀行に融資を断られたら 3 売掛金担保融資
中小企業の資金調達 14 取引銀行に融資を断られたら 4 ファクタリング  

ここで、前回説明した、銀行から仕入資金の融資を断られたとき、経営者も抜本的な意識改革が必要な局面が出てきます。
それは、販売先に知られないことが最重要という意識がある限り、最も効果的な資金調達であるファクタリングという資金調達の手法を放棄することになるのです。
売掛金担保融資はあくまでも融資ですから、いくら信用度の高い会社の売掛金であっても、売掛金の信用度などとは違う、あなたの会社の、例えば税金の未納だとか、社会保険の未納など、売掛金の内容とは違う理由で融資がNGになったり、高い掛け目がかかり、売掛金のボリュームのと比較して小額の資金調達しかできない場合がでてきます。
でも、ファクタリングは原則ノンリコースですから、あなたの会社の税金の未納などといった状況とはほぼ関係なく、ファクタリングする売掛金の信用度が高ければ、売掛金担保融資よりも低い調達コストで、効率的な資金調達が可能になるのです。
ただ、ファクタリングは日本において、まだ本当の意味で市民権を得ていないことは事実ですから、経営者自体にファクタリング=売掛先への通知=信用不安=取引停止という負の連鎖の先入観を強く持つ方が多いのは事実です。
でも、あなたの会社がもし複数の銀行から、追加融資をことごとく謝絶されているような状況なら、ファクタリングを利用できるかどうかで、資金繰りが抜本的に好転するかしないかの、大きな分岐点になります。
銀行から融資を受けれない状態は、もはや非常事態、あなたが知らないだけで、すでに信用不安が出ているような状況にあることも多いので、様々なリスクの優先順位を検討され、ファクタリング=100%NGという認識を持つことだけは避けてほしいと思います。
無責任にはいえませんが、販売先に話したら思ってた以上に快諾してくれたなどという事例もあるのは事実です。

また、厳しいことを言うかもしれませんが、ファクタリング、債権譲渡承諾を取れるかどうかも、これはあなたの経営者としての技量であり力です。
「優良販売先の受注は欲しい。でも、仕入のための資金調達ができない。何度もこの優良販売先からの発注を断ってたら本当に取引できなくなった」などという話もよくあります。
どうせ取引停止になるのであればファクタリングの話をしとけばよかったというケースもよくあることです。
ぜひ、検討されることを進言します。
今日は触れませんが、ファクタリングと聞いただけで取引停止するような大手かなにか知らないけれど、こんな会社にこそ、本当は大きな問題があります。
そもそも、譲渡禁止条項がつている売買契約を結ばなければ取引応じないこと自体、本来、優先的地位の乱用です。
この部分は国にもぜひ取り組んで欲しいところです。
でも、ほとんどの政治家や官僚は、大企業の意向しか耳に入らないから、中小企業の厳しい資金繰りなどとは無縁なことしか考えないことが多く、なかなかファクタリングを当たり前の資金調達方法にすることを阻害していると思います。
ファクタリングを推進しただけでも、相当景気は活況すると思いますが、なかなかこのような政策を進まないのは現実で実に残念に思います。 

Aすぐに売掛金として確定債権化できない場合
さらに2つのケースがあります。
・仕入してから組立てたり製造したりして商品完成に時間がかかり、すぐに販売先に販売(納品)できない場合
このような場合は、難易度は高くなります。
それは販売先やあなたの会社の信用度だけではなく、商品の組立や製造が本当にできるのかどうかというリスクが発生するからです。
つまり、組立や製造するのがあなたの会社であればあなたの会社、そして外注する場合は外注先の会社の、商品として完成できるのかどうかの未完成リスクをファイナンス会社は審査しなければならなくなるのです。
例えば、あなたの会社が、あるいは外注先が、財務上の信用度は高くても、今回の商品の組立や製造が、実績として数少ない場合や初めての場合は、技術上の問題などで、お金を貸しても商品として完成できなかったら、それは販売できないことですから、いくら販売先の信用度が高くても融資を回収できないリスクが高く、仕入資金の融資は難しくなります。
ここでは、仕入資金を融資しても、組立や製造が絡む場合は、商品の未完成リスクが発生して融資の難易度は高くなるとご理解ください。    

・商品を仕入れても販売先の都合ですぐに納品できない場合
こちらの場合は、未完成リスクはないから、単純に、すぐに販売して売掛金として確定債権化を図れないだけですから、販売先とあなたの会社の信用度が高ければ話を進めることができます。
ただ、実際あった話ですが、商品としては完成していて販売はいつでもできるのですが、納品した後、検品という商品として問題がないかどうかのけっこう厳しい検査があって、この検査をパスしないと正式な納品にならない案件がありました。
この話は返品が多い返品リスクと似ていて、非常に仕入資金の融資は受けにくくなり、結局融資は成約できませんでした。
いままで同じ、あるいは同種の商品を納品してきた実績がある、言い換えると検査をパスしてきた実績があれば、この部分の見方は柔らかくなりますが、ヒストリカルな実績が特にない場合は、まずこの件だけで融資は非常に難しくなります。
以上のように、未完成リスク同様、検品リスクの高い場合は仕入資金の調達は非常に難しいとご理解いただきたいと思います。

そして次回、すぐに売掛金として確定債権化できない場合の具体的な資金調達の説明をします。
posted by bhycom at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。