実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年10月28日

中小企業の資金調達 11 銀行に融資を断られたら 資金調達に対する考え方を変える

最近、相次いで緊急事態の時の資金調達に対する認識が根本的に違っている経営者に出会いました。

決して人格がおかしいとか性格が変わっているということではありません。

ただただ、金融機関など第三者からお金を調達することに対する認識が自分本位なだけなのです。

ただ、資金調達を自分本位で考える。

これは、希望の資金調達ができないだけでなく、会社の破綻にまでつながる危険な状況なのです。

中小企業の経営者にとって致命的なことと言っても過言ではありません。

決して脅しているわけではありません。

既存銀行や保証協会のリスケ、税金や社会保険の滞納額が大きい状況は、世の経営者が思っていらっしゃる以上に、資金調達と言う点では大変厳しい状況なのです。

このような状況になっても、多くの中小企業の経営者が、「大したことではない」「何とかなる」と思っていらっしゃるところが、実は大問題で、抜本的な改革やテコ入れが本当は必要な状況なのです。

結論から先に言うと、税金や社会保険の滞納があったり、銀行や保証協会の債務の返済をリスケしたら、低利かつ3年や5年と言った長期資金の調達は、99.999999・・・%不可能になります。

このような状況になると、どこの銀行(信金、信組含む)に打診しても、低利かつ長期の資金調達は、現況のままでは不可能なのです。

でも、このような状況なのに、低利かつ長期の資金調達を依頼されてくる経営者はけっこういらっしゃいます。

一つの銀行だけ断られたと言う場合ならともかく、複数の銀行にも断られたら、それは相当深刻な状況で、弊社は低利かつ長期の資金調達は100%無理と回答しますが、中には、そんな不可能な依頼でも、大丈夫ですと安請け合いするコンサルタントも、たまにいるから困るのです。

人間は甘言には弱いから、そのような不可能なことでも大丈夫ですと言われると、期待して待ってしまうのです。

結局はそんなあり得ない融資は受けることができないから、信用は失うし、下手をしたら仮差押などをやられて事態をさらに悪くしてしまうのです。

まず今日は中小企業の経営者のあなたには、次のことを強くご認識いただきたいと思います。
税金や社会保険の滞納があったり、銀行や保証協会の債務の返済をリスケしたら、低利かつ3年や5年と言った長期資金の調達は、99.999999・・・%不可能

もう少し分かりやすいように実例をあげて説明します。
例えば、譲渡禁止条項付の売掛金債権を担保にカウントして融資するファイナンス会社があります。

ほとんどの会社には売掛金がありますし、譲渡禁止条項付の売掛金も担保とみなすから、例えば東京スター銀行の子会社でNGになった会社でも融資が実行される可能性が高い上、審査も短時間で終わるので、銀行から融資を断られた会社でも、比較的簡単に融資を受けることができる可能性が高いのです。

ただし、金利は年利で14%台と銀行融資と比較すればかなり高いのです。

実際、このファイナンス会社の融資は、保全と言う点では非常に弱く、極論すれば無担保融資に近い形ですからリスクは高い分、金利が高いのは、私のような仕事をしているものから見れば当然なのですが・・・・・、

この金利を提示した時、どこの銀行からも調達できないのだから仕方ないと、正常に判断される方も、もちろんいらっしゃいます。

でも、中には時々、この金利を聞いた途端、感情を害して怒る方もいらっしゃるんですね。

「そんな高い金利の資金は使えない。

だってうちの会社は利益率が低いから、そんな高いお金は使えない」

このように、言いたい気持ちはよく理解できます。

でも、このような金利が高い資金しか利用できないのは、コンサルタントの責任でも、画期的売掛金担保融資を行っているファイナンス会社の責任でもなく、責任があるのはあなたなのです。

どこの銀行も融資しにくい会社にしたのはあなたであって誰の責任でもないのです。

そもそも、銀行やノンバンクなどファイナンスを提供する会社もその多くは民間企業であり営利を追求する企業だということを強く認識してほしいのです。

要は、政府系金融機関の除き、人助けのボランティアではないのです。

金融機関の社会的貢献はどうなのかと批判して怒っても、あなたの会社へのファイナンスは、現実的には金融機関の収益なのです。

つまり、あなたの会社に融資をして、約定通りの返済は大丈夫か?

返済が止まったときの保全はできるのか?

などを判断して、あなたの会社に融資したら儲かるのか?損をしないのか?と言う論理で検討されるのが金融機関から見た時のファイナンスなのです。

だから当然リスクを考え、金利や返済期間が決まります。

このリスクを無視して融資をしたら、融資担当者も融資担当責任者も不法融資とか情実融資とか言われて、場合によっては背任の責を負うことになります。

場合によっては、銀行やノンバンクに監督官庁から指導が入ったり、経営責任まで問われる可能性があるのです。

要するに、あなたの会社に融資をする銀行やノンバンクは、このような状況の中で融資をしているのです。

だから、画期的売掛金を提供するファイナンス会社も、融資の対象になる会社のリスクを考えて、保全方法やバックファイナンスのコストを判断して金利も決めているのです。

だからファイナンス会社からすれば、あなたの会社の収益性が低いからと言って金利を低くすることなど論外で、高いと思う会社は利用しないで良いと言うのが実情です。

だから、先述したように銀行や保証協会や政府系金融機関などから融資や保証を謝絶される状況自体、大変な緊急事態だということを認識していただきたいのです。

でも、このような状況になった時、担保の種類などにより利用できるファイナンスがすべて14%と言うわけではないけれど、銀行や日本政策金融公庫みたいな金利で調達できるかもしれないと考えても、それは非現実的なのです。

だから、どうしても金利が高くなるのを避けたい場合は、家族や親族から「ある時払いの催促なし」のような資金を調達するか、資金使途である支払いを止めるしかないと言うのが現実なのです。

資金調達は非常に現実的な行為ですから、あなたの夢や理想を要求しても、「あなたの会社はリスクの低い優良会社」と第三者の銀行やノンバンクから思われない限り、調達コストの低い調達はできないのです。

今日は中小企業の経営者のあなたには、厳しいことを書いていますが、資金調達特に中小企業の資金調達は選択肢が、大企業よりも限られていますので、税金の滞納やリスケをすると、資金調達は180度思考を変えないといけないのです。

さもないと、今日のタイトルの資金調達ができない経営者と言うことになってしまうのです。

次回は、どのように180度思考を変えるのかをご案内したいと思います。
posted by bhycom at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

緊急報告! 不動産業者向け不動産担保融資が厳しくなってきた

今年の4月に消費増税が行われたことで、実体経済の悪影響が顕著に出ていることは、別のブログでも何度かお伝えしてきました。

安倍首相 御用学者や取り巻きのいうことを聞くな!
これでいいのか!?安倍政権の経済政策
消費増税は結果よりも、この時期になぜ?が大問題

さらに言えば消費増税だけでなく、麻生達閣僚の不用意な発言もあって、デフレ経済脱却が難しいのではないかと言う懸念を不動産市場に与え、インフレ期待が冷やされることで、不動産価格の調整局面も近いかもしれないと言う心理的影響は、けっこう深刻度を増してきているように感じます。
このようなことが影響しているのか、私が最も懇意にしている不動産担保融資のノンバンクが最近、次のような方針を打ち出しました。 

不動産業者向け融資の1案件の上限5000万円
特に新設法人の場合は上限3000万円


この数字がいかに厳しいかと言うと、このノンバンクの不動産業者向け以外の融資の上限は1案件3億円で、3億円以上でも他のノンバンクやファイナンス会社との協調で対応していることでも分かります。
事実、数か月前には、私の紹介案件でも3億6千万円の融資が成約していますので、不動産業者向けのファイナンスをいかに厳しく観ているのかが分かります。
このような不動産業者向け融資への厳しい対応は、なぜ行われるようになったのかと言えば、それは、2008年のリーマンショックの時に戻ります。
この時、このノンバンクに限らず、デフォルトが起きた不動産業者向けの融資債権の中、その大半が5000万円を超えるものだったと言う結果が残っているからなのです。
いずれにしても、安倍政権の政策が更なる消費増税や、おかしな方向にシフトしたデフレを招きかねない成長戦略などで、不動産市場にインフレ期待がなくなるようなアナウンスをし続けると、不動産価格の上昇基調も頭打ちになり、下落基調に変わることも予想されます。
今日取り上げている不動産業者向け融資が厳しくなったと言う話題も、このような懸念をノンバンクの親会社の銀行が取り始めたことによるもので、不動産会社としてはこのような予兆は無視できないと感じました。
「合成の誤謬」と言う言葉があります。
ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロの世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語ですが、まさに個々の不動産会社としては、無理な数字作りのための物件投資は注意深くして頂きたいと思います。
ただ、このような投資に慎重な行動を取る個々の不動産会社の数が増えて拡大していくと、それこそ不動産市場のパンクを招いしてしまうので、あまり助長するような記事は慎みたいとは思います。
でも、資金調達のブログとしては、不動産担保融資の大手の一つでもあるノンバンクが、不動産市場の調整局面があるかもしれないと思いだしたことはお伝えしなくてはならないと思い記事にした次第です。
posted by bhycom at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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