実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年10月26日

中小企業の資金調達 10 取引銀行に融資を断られたら 実践編 2 売掛金ファイナンス

取引銀行から融資が受けられなくなった会社にとって、一番、資金調達の可能性が高いのが売掛金ファイナンスです。
飲食業や小売業でBtoBの売掛金がないケースもありますが、通常一番担保になりうる資産と言えば、やはり売掛金が一番身近な存在です。
売掛金がない会社は少ないからです。   

売掛金のファイナンスには2つの種類があります。
まずは売掛金を担保とする融資と、売掛金を譲渡することによって資金調達するファクタリングです。
この2つのどこが違うのかと言うと、例えば担保にしている売掛金の販売先が融資途中で破綻した場合、大きく違ってきます。
融資は、あくまでも融資ですから、あなたの会社は借りたお金は返済しなければなりませんし、融資額によっては担保不足が生じ、追加担保を入れることを請求される可能性があります。

一方、ファクタリングは一旦売却した売掛金の販売先が支払期日よりも前に破たんしたとしても、原則、あなたの会社は、言い方を乱暴に言うと「知ったこっちゃない」のです。
つまり売却しているのですから普通は非遡及なのです。
ただ、ファイナンス会社の中には、ファクタリングなのに非遡及でないウィズリコース(遡求権有)ファクタリングもありますので、この点は注意が必要です。

また、融資の場合は、銀行融資ではないとはいえ、例えば税金の滞納や労働債務、つまり人件費や社会保険の支払いが滞っていれば融資はNGになります。
でも、ファクタリングは、売掛金として確定債権になっていれば、売掛先の信用力がOKであれば、あなたの会社の状況、つまり、税金を滞納しているとか、社会保険を滞納しているなどと言ったこととは関係なく実行され得るのです。

このように書くと、あなたは売掛金を巡るファイナンスを考えれば、融資よりもファクタリングの方が良いと思われると思います。
実際、ファイナンスとしては、融資よりはファクタリングの方が、多くの場合コストも低く、あなたの会社の状況に関係なく行われるから、あなたにとっては望ましい資金調達方法です。
アメリカでは普通に行われている資金調達方法ですが、日本ではいまいち広がっていないのは売掛先に債権譲渡承諾をしてもらわねばならないからです。
つまり、売掛先に通知して承諾してもらう必要があるのです。
要は、売掛先に知られてしまうのです。
普通に考えれば、売掛先の支払いのサイトが長いから債権譲渡して資金調達するのですから、何も悪いことをしているのではありません。
でも、多くの中小企業経営者は、売掛先が大手であればあるほど、売掛金を譲渡して資金調達しなければならないほどお金に困っていると思われ、信用不安を招いて取引ができなくなるのではないかと深謀配慮してしまうのです。

確かに、売掛金が発生した元々の売買契約書の中に、売掛金の譲渡を禁止する、いわゆる譲渡禁止条項が記載されていることが、大手であれば大手であるほど多いことも事実ですし、大手の中にはファクタリングの通知をしたことで、取引を打ち切るような後進性がある会社もないことはないので、中小企業の経営者が二の足を踏む気持ちは良く理解できるところです。
でも、この売掛金の譲渡を禁止すること自体を問題視する傾向も出てきていますので、ファクタリングという資金調達の方法が今後広がっていくと思いますし、広がっていく必要性は高いと思っています。
この辺りのことは次の記事をご参照ください。

今日のポイントは次の通りです。
売掛金ファイナンスには売掛金担保融資とファクタリングがある。

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中小企業の資金調達 9 取引銀行に融資を断られたら 実践編 1

今回からは取引銀行に融資を断られた時、どうするか?の実践編を記述してまいります。
あなたの会社が融資を取引銀行から断られたとします。
まずは、次のチェックポイントをご確認ください。   

(会社)
@財務状況
・債務超過?
 債務超過の場合:原因は慢性的な赤字?or 特別損失による赤字?
・直近3期に赤字決算があるか?
 赤字決算がある場合:慢性的な赤字?or 一時的な赤字?
・年商が過少?
 事業形態にもよるが、1億円以下は過少
・直近の決算書の現預金残高が過小?
 売上の1%以下?
・流動比率の状況
・延滞債務の有無

A直近でリース審査が通っているかどうか?

B担保になる次に該当するものがあるか?
・不動産:会社、代表者、親族など協力者含む
・株券、国債などの有価証券:会社、代表者、親族など協力者含む
・ゴルフ会員権:会社、代表者、親族など協力者含む
・入居保証金

C売掛金
 確定債権かどうか?
 支払サイトは?
 売買契約?請負契約?
 譲渡禁止条項の有無
 債権譲渡承諾の可能性?
 入金口座変更の可能性

D商品在庫

E設備機器

F車両とその種類

G第三者保証人の有無

H信用保証協会との関係

(代表者個人)
@CICなど個人信用情報機関の情報に問題がないか?

Aクレジットカードは利用できるか?

B年収は600万円以上?

C直近のクレジットカード発行やクレジットが通っているかどうか?

D第三者保証人の有無


実際の面談でご相談いただく場合も、これらのポイントをヒアリングさせていただいています。
もちろんケースバイケースで違うポイントの確認もさせていただくことがありますが、上記のポイントをヒアリングすれば、銀行融資以外の資金調達ができるかどうかだいたい予測できます。
そして、必ず拝見するのは決算資料です。
お金を借りるとき必要な決算資料とは次のものをさします。
税務申告書〜貸借対照表・損益計算書・販管費明細〜勘定科目明細

時々、決算資料を求めると、貸借対照表・損益計算書・販管費明細のみ提出される経営者がいますが、この段階で、忌憚なくいうと資金調達はできないと判断します。
なぜなら、融資を受けるということがどういうことかご理解されていないからです。
これは資金調達をサポートする私のようなコンサルタントだけではなく、銀行やノンバンク、あるいはあらゆるファイナンス会社も、分かっちゃいない非常識な経営者と、このことだけで一所懸命やっても無駄かもしれないと、モチベーションが相当下がります。

つまり融資やリースなどファイナンスの可能性が低くなるのです。
お金を借りる時に必要な決算資料とは次のものを指します。
税務申告書〜貸借対照表・損益計算書・販管費明細〜勘定科目明細

そして、必ずこの順番にコピーされたものがそろっていることも重要です。
抜けたり、この順番が違っていると心象が良くないので、ファイナンスに良い影響を与えません。
そして、融資を打診する時期が、決算月よりも6ヶ月以降経過している時は、直近3ヶ月以内の試算表が必要です。

今日のポイントは次の二つです。
1.銀行に頼らない資金調達のために、上記チェックポイントを確認してください。
2.ファイナンスで必要な決算資料とは、税務申告書〜貸借対照表・損益計算書・販管費明細〜勘定科目明細を指します。
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