実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年10月20日

中小企業の資金調達 4 融資余力

今回はどのような状況なら、新規取引で銀行や信金と、銀行取引ができるか編です。
今日お伝えすることは、大多数の銀行や信金などで、新規取引先をまず見る時にチェックするポイントです。
それは融資余力がある会社かどうかです。
融資余力は次の数式で判定します。

(借入金/経常利益×60%+減価償却)

この数式で出した数字が10以上ですと、キャッシュフローがないと判定されて、多くの場合謝絶されます。
この数字が7以下ですと融資余力がある会社と判定され融資に向けた本格的な審査に進みます。
この数式の意味は、融資余力は(借入金/経常利益×60%+減価償却)を見る をご参照ください。

先述しました10以下、できれば7以下なら○で、10以上は×という記述について説明します。
この10とか7とは、10年、7年という意味です。
つまり、今ある融資の借入残は、経常利益×60%+減価償却費であるキャッシュフローで返済されます。
このため、現在の融資残高をキャッシュフローで割ることで、何年で返済できるかという数字が出ます。
金融機関が考える返済期間は、どの金融機関でも概ね10年で返済することが最低条件と判断していて、返済に10年以上かかる状況では、今以上の融資をする余力がない会社と判断されるのです。
だから10以上の場合は融資不可で、原則新規融資はNGになります。
だから、少し余裕をもって、7年以内で返済できる会社は〇いうことになります。
それは、新規融資の効果でキャッシュフローが、万一大きくならなくても、3年分の余裕を融資額に反映して融資するのなら、新規融資しても10年以上返済がかかるような状況にはならないだろうという判断で、新規融資がしやすくなるのです。
だから、7以下なら、つまり7年以内に、今ある融資残が完済できる状況なら融資の可能性が高くなるのです。

ここで実例を上げて説明します。
銀行あるいは信金や信組から、2000〜3000万円のプロパー融資を希望する案件の相談あったとします。
前期決算書を見ると、年商は6億円以上あるのですが、既存借入額約3億円。
そして何よりも経常×60%が200万円、減価償却が150万円しかありません。
つまりキャッシュフローは350万円。
ということは、3億円/350万円で、今ある融資債務を完済するのに85年もかかってしまうのです。
だから原則、この案件の会社は金融機関からの追加融資は不可というのが現実的な判断となります。
ただ、どの金融機関、どの拠点でも、融資の予算というものがあるから、事業内容や将来性、そして、経営者の人格や経営手腕など、数字では見えないポテンシャルを見てくれる場合もありますから、100%NGというわけではありませんが、非常に新規取引による融資は難しいというのが現実的判断になります。
もし現在、新規の銀行など金融機関から、低利かつ3年以上の融資を受けて、安定的な資金調達を計画しているなら、ぜひ、借入金/経常利益×60%+減価償却を算出し、融資余力があるかどうかを見ることはとても重要です。
ご自分の会社の融資余力を出して見られてはいかがでしょうか?
もし、この指標が良くない時は、自分の会社の与信で融資を受けることは現実的でないと判断して、ノンバンクなどから、別の基準で審査される融資を含めたファイナンスを検討する必要が出てきます。
posted by bhycom at 02:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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