実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年10月17日

中小企業の資金調達 2

中小企業の資金調達の2回目、実践編です。
今回のシリーズは、中小企業の経営者であるあなたが、様々な状況において資金調達を考える時、どのように考え、どのようなアクションを取ればいいかと言う視点でご案内しようと思っています。
様々な状況下における資金調達を具体的に案内するシリーズにしたいと思っています。
実践編の1回目は既存取引先の金融機関を第一に考えるです。
  
あらゆる資金調達で言えることですが、どのような資金調達であれ、まず検討していただきたいのは、すでに借入がある先の金融機関で資金調達ができないかを検討することです。
それは銀行や信金であっても、ノンバンクであっても、街の金融業者であっても、トラブルがなく友好的な関係であれば、まず資金調達の相談は既存取引の金融機関にすることが一番です。
特に業績が低下傾向にあり財務状況も悪化基調の時、頼りになるのは既存取引がある金融機関です。
理由は次のとおりです。   

1.属性調査をされない分、資金調達までの時間が短縮できる。
新規取引の場合、あなたの会社や代表者であるあなただけでなく、あなたの会社の役員や株主、また取引先などの中に、コンプライアンスに抵触する会社や個人の存在がないかどうか徹底的に調査されます。
その結果、新規の場合、既存取引がある金融機関よりも、最低でも属性調査に1週間は余計に時間がかかります。 

2.金融機関内の審査が、新規取引の金融機関の審査よりも通りやすい。
銀行や信金なら、あなたの会社と取引が開始された時期からの与信を把握していますし、不動産担保融資のノンバンクでも、与信や属性問題はもちろん、担保物件の価値を把握しているから、審査は簡単になり、当然ながら通りやすい。
 
3.既存融資の保全と言う配慮から難しい融資でも通ることがある。
あなたの会社の業績が落ち、財務状況が厳しくなっていても、既存借入がある金融機関の場合、既存貸付の保全という意味で、新規融資がOKになる場合があります。
業績の良い時なら、新規取引の金融機関からの融資も可能性は高いですが、業績が悪化した後になると、新規取引の金融機関からの融資は非常に難しくなります。

4.取引を何度も重ねることで金融機関と密接な関係が構築できる。
密接な関係になれば、融通が利くのは金融機関でも一緒です。
だから、普段から、特に業績が良く、財務状況も良い時こそ、不要な資金でも融資を何度も重ね、約定通りに返済を繰り返して実績を作っておくことが重要です。
もちろん、資金調達先の選択肢を増やしておくことも重要ですが、既存取引の金融機関と入魂になっておくことは最重要です。  

今日のテーマは、次の通りです。

「資金調達の必要が出た時、まず第一に相談するのは、既存取引がある金融機関である。」
posted by bhycom at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中小企業の資金調達

何回かに分けて、中小企業の経営者であるあなたが資金調達を考えるときの考え方について説明したいと思います。
第1回目は必要とする資金調達の内容を整理する編です。
資金調達の必要が出た時、あなたは、まずはどのような資金が必要かを明確に整理把握することが、資金調達がスムーズにできるかどうかの重要なポイントになります。

@必要とする額
A必要とする時期
B容認できる調達コスト
C希望する返済方法や期間
D返済原資

以上5点をまず明確にすることが資金調達を考える時の基本です。

@必要とする額
よくお客様から相談を受けていて、必要な資金調達額が確定していない場合があります。
「できれば2000万円調達できると理想だけれど、とりあえず300万円でOK。」
なんて話を聞くことがあります。
でも、これではスムーズな資金調達ができません。
なぜなら、あなたの会社の規模や売上にもよりますが、2000万円の調達と300万円の調達では、その方法がまったく異なるからです。
まずは本当にいくらの資金調達が必要なのかを明確に認識することがスムーズな資金調達の第一歩になります。
今月中に300万円。
そして6か月の間に合計2000万の資金調達が必要と言うように、御社の資金繰りと照らし合わせて、明確な資金調達の額、そして2に項目と関連しますが、時期を明確に理解していただくことが重要です。 

A必要とする時期
これについても、現実的な判断が必要です。
よくあるケースは、3日後にどうしても資金が必要と言いながら、何か月も経過している案件がけっこうあります。
3日後にどうしても資金調達が必要で、それ以上かかるなら不要だなどと、非現実的なことを言っていると、その結果、ずっと資金調達ができないといったケースは多いから要注意です。
会社の状況(業績、財務など)、調達額、返済原資、担保の有無などの状況によって違いますが、通常、新規取引では、最短のレスキュー的資金調達で1週間、通常の不動産担保融資のノンバンクからの融資で2〜3週間、銀行や信金などからの会社与信の審査が必要になる資金調達では1〜2ヶ月はかかります。
時々、朝電話がかかってきて、今日中に500万円を貸してくれるところはないかなどと、あり得ない話をしてくる方がいますが、このようなことを言っていては永遠に資金調達はできません。
借り手であるあなたの資金繰りの都合はあっても、貸し手が納得しないと絶対に資金調達はできません。
資金調達は貸し手の都合に合わせないとできないのです。
まして、まっとうなところから借りようとすればするほど、まっとうなところは組織で動いているわけですから、それ相当の時間は必要です。
だから、500万円を明後日までに、5%以下の金利の資金をと言われても、それは非現実的で、結局は資金調達が不調に終わってしまいます。 

B容認できる調達コスト
これも現実的に考える必要があります。
調達コストはリスクに応じて、リスクが高ければ調達コストは高くなりますし、リスクが低ければ調達コストは低くなります。
このことは普通に考えれば当たり前なのに、債務超過状況の会社が無担保で、しかも長期で、銀行などの低利限定で資金調達したいというような案件が時々ありますが、冷静に考えて可能だと思われますか?
多分、あなたもそんな都合のいい話はないと思われると思います。
でも、いざ資金調達をする当事者になると、非現実的な資金調達を考えてしまいがちなのが、資金調達の難しいところです。 

C希望する返済方法(期間)
これも現実的に考えてほしいと思います。
あっちこっちの銀行や信金から、融資の営業を受けている状況なら、新規取引でも5年とか8年などといった長期返済を希望してもOKになることはあります。
でも、既存取引の銀行や信金から追加融資を断られたような状況では、無担保融資の場合、新規取引で5年などと言った条件はまずありえません。
現実的に言えば3年が最長。
2年とか、よくあるのは1年です。
これは常識なのに、中にはどうしても5年でなければ借りないなどと非現実的な条件に凝り固まって、結局どこからも融資を受けることができいない会社を時々見ます。
まして、会社与信では資金調達が難しい状況なのに、3年でないと返済できないというような経営者がいますが、ノンバンクからの売掛担保融資でしか調達が難しいような場合、3年返済など200%あり得ません。
この辺りは、あなたの会社の状況、担保の有無、返済原資の確定度などにより現実的に整理して判断することが、何よりも重要です。 

D返済原資
返済原資が確定しているかしていないかは、資金調達の可能性を図る時、非常に重要な要因になります。
あなたが資金調達を考える時、第三者(金融機関)は返済原資をどのように見るだろうと、冷静に分析して考えることは重要です。
例えば、時々あるのは次のような場合です。
助成金の受給が決まっていて、この助成金の受給を前提に融資を受けたいと言う案件が時々あります。
もちろん、銀行から、会社与信で、あるいは保証協会の保証付きで融資を受けることができるような会社なら苦労しませんが、会社与信も保証協会の保証を受けることも難しいようなケースでは、助成金受給の確定度が大事になります。
現実的には、多くの場合、助成金の支払日の決定通知が送られてくるのは、10日ほど前のような受給日寸前の時期であることが多いから難しいのですが、助成金を返済原資だと言えるのは、この受給日の決定通知がペーパーレベルで存在していることが条件になるのです。
この決定通知が来ていない状況は、助成金が決定しているとはいえ、それは単に受給資格を有していることに過ぎないと見ますから、このような状況では返済原資と言えないのです。
このように返済原資が確定しているということは、相当条件としては厳しく見られるということをご理解していただきたいと思います。

必要とする資金調達の内容を整理する編で最も言いたいのは、何よりも現実的に、第三者的に、計画する資金調達がどのようなものなのか理解していただくことが重要だと言うことです。
いくらあなたにとって、このような資金調達でなければ意味がないと思われたとしても、それが非現実的な場合、意味がないと言うことを認識していただきたいと思います。
posted by bhycom at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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