実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年09月28日

ブリッジファイナンス 地上げ資金

ブリッジファイナンスを取り扱っているというと、必ずといっていいほど相談が入るのが地上げ資金です。
不動産の地上げ資金はNGです。
もちろんこのような資金調達の案件を手がける変わり者のコンサルタントもいるかもしれませんが、そもそも第三者の地上げ資金を提供する奇特な金融機関も貸金業者も投資家もいません。
なぜ地上げ資金がダメなのかと言うと、保全がしにくい上、何よりも期間が読めないからです。

まずは地上げ資金とはです。
開発計画の不動産において、まずは土地の地権者が多数いる場合、地権者から物件取得して計画通りの整形地に仕上げなければなりません。
この時の個々の物件取得のことを地上げと言い、この時に必要な資金を地上げ資金と言います。
これは、区分所有になっているビルの区分の買い取りの場合も同じで、その区分をすべて取得して1所有権の不動産に仕上げることも地上げ案件の一種です。
地上げの資金調達が難しいのはまさに、所有権を整理して一所有者あるいは開発プロジェクトに参画する複数の会社に所有権を整理して、計画した整形地になって初めて不動産価値が上がるという特性があるからです。
つまり、地上げの個々の不動産だけ見れば、その坪単価の不動産評価がほとんどのケースで、整形した後よりも相当低い場合が多いのです。
おまけに、地上げ対象の部分部分の不動産の所有者からすれば、よほどお金がすぐにでも欲しいような場合以外は、チャンスですから本来の不動産価格よりもほとんどの場合、高い価格でしか売却しようとしません。
これは批判しているのではなく、当然の経済的判断です。
つまり、地上げの一局面だけ考えれば、買収に必要な資金は、本来の不動産価格よりも相当割高になることが多いのです。
先ほども言いましたように、買収計画がすべて完了しないと不動産価値が上がらないから、資金提供する者からすると、資金提供対象の不動産に抵当権を打っても、資金提供した段階では保全ができないのです。
もしあなたが、地上げ資金を見ず知らずの第三者の不動産会社に資金提供するとします。
その資金提供する不動産会社が計画する地上げが、計画通りにできることが99%確実で転売先もしっかりしていれば安心かもしれません。
地上げ対象の不動産の所有者の数が複数以上あれば、地上げ対象の不動産の売却同意が進めば進むほど、売却同意しないで残っている所有者は高い価格で売却できると思うことは当然ですし、地上げ対象の不動産の所有者の数が多ければ多いほど、絶対に売りたくないという所有者が1件や2件あることは普通なのです。
つまり、地上げ資金を出した途端、資金提供者は担保不動産の評価以上に資金を出していることになり、それが保全できるようになるのは、見ず知らずの第三者の手腕に依存してしまうことになるのです。
だから地上げ資金は大きなリスクを持つことになるのです。
もちろん、地上げ対象の不動産の買い取り価格、言い換えれば地上げ資金提供額が、その部分だけの不動産評価に見合うものであれば成約の可能性はあります。
でもこのようなケースはまれで、ほとんどの場合、その地上げ対象の不動産の現状価格よりも資金提供額が上回るから、要は地上げ資金は、不動産担保融資と言うよりも、無担保融資に近い性格のお金になるのです。
だから、長期間にわたって信頼関係にある会社に対してでないと、金融機関も貸金業者も投資家も資金提供はしないのです。

不動産のブリッジ案件に対応できる融資ができると言うと、必ず地上げ案件の相談があります。
でも、地上げ案件にお金を出そうと考える第三者はいないので、地上げ資金はご相談いただいてもお断りしています。


先ほどから融資と言わず資金提供と書いていますが、融資に限りません。
融資ではなく、資金提供者の所有権に一旦移す場合も同じです。
不動産を評価よりも高く買う会社や人がいるはずがありません。
だから、そもそも、できる地上げ業者は自分で金主を持っているから地上げに成功するのです。
自身で調達能力がない地上げ業者など、本来ありえない話で、地上げ業者は資金調達能力が高くないと地上げ業者とは言えません。
だから弊社は地上げ資金のお手伝いはしていないのです。
この姿勢はブリッジを積極的に考えるノンバンクも同じです。
ブリッジ資金と言うのは、本来お金を貸すだけの信用力がない会社に、転売のための仕入れ資金を、転売の確実性と言うことを前提に、会社の信用力以上の資金をファイナンスする資金のことです。
だから、ブリッジ資金が成約するのは、地上げが完了している不動産を、確実な転売による資金回収を前提に初めて成立する資金なのです。
いくら三菱が買うとか住友が買うなどと言っても、地上げがすべて成功しないと転売ができないのに、何を言っているんだと言うことになるのです。
地上げ資金はNGです。
posted by bhycom at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブリッジファイナンス

ブリッジファイナンスとは?

造語ですが、返済原資が確定している、原則1年以内の短期ファイナンスのことを指します。
もう一つ付け加えると多くの場合、顧客の会社は与信が高くない場合がほとんどです。
与信が低く、金融機関から普通に資金調達できないから、確定している返済原資を前提に、与信以上の資金調達を計画する案件が多くなります。
だから、返済原資がすべてというファイナンスですから、資金を出す側の返済原資に対する見方は非常に厳しくなります。
私にも毎月10〜15件程度のブリッジファイナンスのご相談が来ますが、成約することは稀です。
それはなぜかというと、顧客が考える返済原資が、資金提供側から見ると、全然確定していないからです。
つまり返済原資の確定度合いがすべてといって良い案件なのに、返済原資が確定していないから成約できないのです。  

よくあるのは不動産業のお客様の次のような事例です。
土地を1億5千万円で買ってくれるところがあるから、その土地を仕入れる代金1億円の調達をしたいと言う案件です。
まずは買ってくれると言う先の信用力があるのか?という問題です。
この種の案件は、信じられない話ですが、この段階で6〜7割がNGになります。
また、転売先の信用力がOKであっても、締結している内容はどのようなものかという段階になると、ほぼ壊滅状況になるのです。
返済原資にふさわしい契約状況とはどのような状況下というと次のようになります。
「違約条項つき手付け契約締結がすでに完結していて、手付金も支払われている。もちろん転売先の与信は高いことが前提です。」  

ところが
・仕入資金が確定していないから仕入も確定せず契約ができない。
・転売先が大手だから手付金は取れない。
・転売先が大手だから、この段階では契約に応じない。
 転売先の担当者に会って確認はできる。
・開発許可など許認可が下りてからでないと契約はできない。
などなど、よくも言ってくれるなというレベルの言い訳で転売先との契約自体できていないような、要は資金調達を打診する状況になっていない案件がほとんどなのです。  

これは他の業種の案件の場合も同じです。
たとえば、今回仕入れた商品は前回仕入れたときも完売したから今度も間違いなく売れる、実際このように発注書も着始めている。
この売上を前提として1000万円の調達がしたいという案件があったとします。
顧客は間違いなく売上回収できて返済できるといって言うわけですが、果たして本当でしょうか?
金融で言う返済原資が確定しているという状況とは、債務者のあらゆる事態を想定しても保全できる可能性が高いという状況を返済原資確定と言うのです。

・まず検討するのは、販売先の信用力が高いかどうか?
 これは当然の話です。
・発注書はあっても本当に商品を発注書レベルまで仕入ることができるのか?あるいは製造できるのか?という、顧客の納品できるかどうかのリスクも問題になります。
いくら大手からの発注があっても、納品できなかったら売上にならない、要は回収ができないから返済はできないと考えます。
・いくら販売先の信用力が高いからといって、何かの理由で回収が遅れる懸念はないのか?
などなど、諸々のリスクを判断して、これならほぼ大丈夫だろうと言う事で初めてファイナンスの可能性が出てくるのです。   

あるいは、補助金を受給できることが決まっているので、これを前提に資金調達がしたいと言う案件も良くあります。
これも同じです。
決まっているということが、いつ補助金が支払われることが決まっているということではなく、受給資格があるというだけの状況なのに、受給が決まっているという顧客が非常に多いのです。
ひどい場合は、よく調べると、顧客の会社がある基準の段階に達したら、そのエビデンスを添付して受給申請すれば受給できるというようなことがあります。
つまり、顧客の事情によっては受給申請ができないのに、受給が決まっているなどと、気づいていらっしゃらないことが多いのですが、まさに詐欺まがいといってもいいような案件も決行存在するのです。 

ネガティブなことばかり書きましたが、逆に、条件が整っていれば、与信以上の資金調達はできることも確かなのです。
何が言いたいかと言うと、ブリッジファイナンスを考えるとき、何度も資金調達をしているような実績がある先に対する場合は別ですが、新規の場合、ブリッジファイナンスは返済原資の確定度を第三者的に考えていただきたいのです。
よく顧客に言わせていただくのは、もしあなたが資金を出す側だとしたら、あなたの案件にお金を出しますか?ということです。
多くの場合「、出さないでしょうね。」
「それなら無理じゃないですか・・・・」
というのが良くあるブリッジファイナンスの案件だから成約する率が低いのです。
posted by bhycom at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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