実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年09月25日

地方不動産への投資

具体名は書きませんが、「地方の収益物件は利回りが良く、住宅ローン系のアパートローンなら、地方物件でも、自己資金ゼロでも大家になれる」などと、素人投資家候補者をターゲットに本を書いたりセミナーして、自己破産者をいっぱい作っている困った人たちがいることに辟易しています。
素人投資家候補者の人たちの多くが、このような甘言に乗り、高利回りではあっても流動性の低い不動産に手を出し、経済状況の変化によって、破綻したり、生活を崩壊させ大変な人生を送っている方が多いことをご存知ですか?
結論から言うと、「100%に近いローンでなければ物件が買えない投資家は、絶対に地方物件に手を出してはいけない。」というのが結論です。
不動産の金融的な価値は、不動産の収益性だけではなく、流動性も非常に大事なファクターになっています。

ここで、以前でもご説明した不動産融資の復習です。
銀行融資や住宅ローン系のアパートローンは、融資の審査において不動産の価値ももちろん重要ですが、同等以上に融資を受ける債務者の属性と与信が重要です。
特に住宅ローン系の融資は、不動産よりも、債務者の属性と与信がはるかに重要です。
だから、安定収入が今後も予測されるまっとうな生活をしていそうな人物であれば、地方の不動産投資でも、表面上、不動産に特に瑕疵がなければ100%ローンの融資を受けることが可能なのです。
だから、敢えて悪徳業者と書きますが、この住宅ローン系融資の特性を利用して、大手企業に勤める投資候補者に自己資金などほとんどなくても、高利回りな地方のアパートやワンルームなどの収益物件への投資を勧めるのです。
プロならほとんど興味を持たない不動産を素人に投資させるのです。
そして、ひとつ投資したら、またひとつと言うように、多重投資を勧めるのです。

ところが、90年台のバブル破綻までなら、日本の不動産はずっと右肩上がりに不動産価格が上がっていたから、万一、入居者がいなくなって金融機関への返済が厳しくなっても、投資した価格と同等、あるいは上回る価格で転売できる可能性が高く、特に問題は起きなかったのです。
ところが90年のバブル崩壊やリーマンショックで体験した方も多いように、不動産も価格が下がることが分かったのです。
特に地方不動産の価格崩壊は激しく、不動産価格が高いときに投資した方が、価格崩壊後、何らかの理由で投資を手仕舞いしようとしても、不動産価格が投資時期よりも半額あるいは3分の1などという状況になると、先ほども言ったように入居者が退去し新しい入居者がなかなか見つからないような状況になって、金融機関への返済ができなくなっても、売却返済で解決できなくなることが続発したのです。
まして、多重投資している投資家が、複数の物件で同じようなことが起きれば、本業の収入では解決できず、高利の資金に手を出して自己破産をした方も相当数いると思います。
一時期、このような方の案件の相談が多く、本当になぜこんな不良物件に投資したのかと思ったものです。
まだ投資物件が、首都圏や京阪神、あるいは中京圏、福岡市や札幌市のような政令指定都市の場合は、解決できることも多かったのですが、これ以外の地域の案件に投資している案件はほぼ解決できませんでした。
なぜかというと、それは流動性がない不動産担保の融資は、債務者の与信が低くなると、銀行や住宅ローン系の融資を受けることができなくなり、ほぼ不動産価値のみで融資が可能なノンバンクや貸金業者の融資に頼ります。
ところが担保不適格で緊急避難的な融資で解決することができないことが多かったのです。

また不動産融資の復習ですが、銀行融資や住宅ローン系の融資が担保不動産価値よりもむしろ債務者の属性や与信が重要だという反面、ノンバンクや貸金業者の融資は、担保となる不動産が最重要です。
だから、流動性がない不動産。
言い換えると、担保権を実行しても、流動性がない不動産は競売しても落札されない可能性が高く、債権回収会社にも売却しづらく、早急な保全ができないのです。
だから、救急的な措置が可能になるノンバンクおよび貸金業者の融資が利用できないことで、債務者のリスクは非常に高くなったのです。
この結果、自己破産とか、生活破綻など、現実的に数多く見てきました。 

地方不動産への投資は、本当の富裕層が行う投資です。
自己資金でやっているなら、極端に言えば、50%、あるいは90%の損切りをしても債務者本体への影響は深刻ではありません。
自己資金が少ない投資家は利回りが低くても、流動性が高い首都圏の投資に限るべきだと思います。
そもそも、短期転売ならともかく長期保有が目的の不動産投資を、自己資金なしに不動産投資するなどということ自体超ハイリスクだから、私は止めた方が良いと思います。
私の顧客でLTV30%程度で投資している地方の投資家がいますが、現在はたいした存在になり、某銀行の頭取の直の挨拶先になっています。
地方不動産への投資は富裕層限定と私は確信しています。
posted by bhycom at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

金融機関・ファイナンス会社相手の交渉は冷静に

具体例で説明します。
食料品をスーパーに下ろしている食料品輸入商社が、至急で500万円の資金調達のご相談に見えました。
話を聞いていると、まさに画期的売掛担保融資 向けにぴったりの案件で、売掛金の内容や税金の納付状況を聞けば、すぐにでも500万円の調達は可能と思いました。
ところが、NGでした。
その理由は、過去に画期的売掛担保融資 のファイナンス会社とトラブルを起こしていて、念のために検討できないかどうかファイナンス会社に確認しましたが、言下にNGの回答が返ってきたのです。
顧客からの話を聞くと、以前この顧客の会社が、このファイナンス会社から融資を受け完済した後、譲渡登記の抹消でもめていたのです。
ファイナンス会社が登記抹消を忘れていて、その対応でもめ、感情的に怒りの感情をストレイトにぶつけたらしいのです。
顧客の話を聞く限りでは、明らかに非があったのはファイナンス会社側だと思います。
でも、感情的になって怒鳴ったことは絶対にやってはいけないことだったのです。
特に、対銀行、対ノンバンク、対ファイナンス会社との話し合いは、頭に来ることがあっても、終生二度と利用しないと判断しない限り、今後の資金調達のためには、感情的になっては絶対にいけないのです。
この顧客も、その時、非はファイナンス会社にあり、その対応に問題があったとしても、冷静に対処していれば、今回もスムーズに資金調達できたのです。
残念ながら、この顧客の会社が至急で資金調達できる可能性は、状況を聞いた限りでは、99%無理で、サポートをお断りしました。

以前某メガバンクでも同じようなことがありました。
今は隆盛を極める会社で、銀行から熱心に営業される立場となっていますが、某メガバンクとの取引はいまだにできないのです。
この案件も、明白に瑕疵があるのはメガバンクです。
別にこの会社の社長が感情的になって怒鳴ったわけではなく、メガの拠点の責任者の言動が終始一貫していないことに対して冷静にその真意を確認しただけで、その時むしろ感情的になったのはメガの責任者のほうだったのに、この顧客はトラブルを起こした極悪人といった情報をメガのデータベースに登録されたようなのです。
さすがに、時間が10年近く経過したから、現在もだめかどうかは確認できません。
でも高い確率で、このような顧客のネガティブ情報は長期間消えることはないと、銀行出身者は口を揃えて言うからだめなんだと思います。
この件は、明らかに銀行側に再考してほしいことですが、昨日の案件のように、感情的に怒鳴りまくったら一発アウトなので、納得できない気持ちは理解できるものの、お金のためとは言いたくないけれど、冷静に対処して欲しいと思います。
  
そう言えば、以前顧客だった「マネーの虎」の虎の一人だった顧客も某メガバンクの店内で机を叩いて怒ったところ、取引不能の旗を立てられ取引を拒否されたことを思い出しました。
今は破綻したと聞いていますが、サポートしていたころの財務内容はそれほど悪くなかったから、感情的になっていなければ違った結果になったかも知れないと思います。
明白に不法行為である過剰提案で損害を受けたようなことであっても、黒を白というような体質があるのが銀行です。
自分が悪くても、顧客が感情的になって机などを叩いたら、取引停止の烙印を押されます。
このような体質は銀行だけではなくノンバンクもファイナンス会社でも同じです。
やはり、こと破綻!あるいは返済不能!というような状況になったとき、感情的な顧客の取り扱いが難しいからでしょうか。
感情的な顧客は大嫌いな体質が金融業界にあるので、お気を付けいただきたいと思います。
posted by bhycom at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。