実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年09月10日

資金調達のコンサルタント業をされる方へ A

前回の続きです。
二つ目になぜ資金調達のサポート業は継続するのが難しいかというと、それは提供するサービス、要は商品の差別化ができていないことが多いからです。
さらに言えば、コンサルタントとして同業他社とは違うという差別化もできていないからだと思います。 
このあたりはかなり明確に書かないとご理解していただけないと思うので、具体的に書きます。

一つの例ですが、たとえば顧客に提供できるサービスが、保証協会付融資や制度融資、あるいは政府系金融機関の融資、いわゆる公的資金のみであったら、同業他社と差別化ができているとはいえません。
そもそも、公的資金を利用できる会社なら、本当はコンサルタントの助けなど要らないのではないでしょうか?
誤解を恐れず、また同業者批判になるかもしれませんが、私が客なら、わざわざフィーを支払って保証協会付融資や政府系金融機関からの融資サポートの依頼は絶対にしないと思います。
なぜなら、保証協会付融資など、近くのエリア内にある地銀とか信金に行けば、会社の状況が問題なく、それなりの財務内容と信頼性があるように見える経営者なら、相談すれば喜んで地銀や信金スタッフがアレンジしてくれます。
もちろん、おかしな金融機関のスタッフに旗を立てられたら厄介だから、それなりに注意しなければいけないポイントはあります。
また商工会や商工会議所などの推薦で制度融資が利用すれば、本当にコンサルタントの出番はないと私は思います。
だから、コンサルタントで、このような公的資金のサービスに特化していたら、忌憚なく言って、資金調達成約の成功報酬一本で経営を継続するのは大変だと思います。
でも間違わないでいただきたいのは、この分野でもやり方によっては元仕事仲間の宮澤氏が経営する東京中央経営のように成功することはできます。
彼のすごいところは、制度融資とか保証協会付融資とか政府系金融機関とか、あるいは経産省の助成金などの公的資金に特化し、リスクをとってこの業界では異例な従業員数で、つまり同業他社とは比較にならない圧倒的な経営資源を投下して、特に活動促進法の認定では圧倒的なシェアをとり、他のコンサル会社とのステータスという点で差別化を図ったことです。
もちろん大きくなればなったで、批判されることもあるかもしれないけれど、私はたいしたものだと思います。
何がいいたいのかと言うと、ここまで徹底すれば、公的資金一本でもやっていけると思います。
でも、まだ顧客も人脈も少なく、特に資金力もない独立したてのコンサルタントが、公的資金一本でやれるのかといえばそれは現実的には難しいと思います。
なぜなら、公的資金を取り扱うコンサルの数は膨大で、ネットでも検索したら、驚くほどの数のコンサルタントやコンサル会社、あるいは士業事務所がヒットすると思います。
この中で圧倒的地位を築き、顧客を囲い込んで、案件数を増やし、成約件数を増やしていくのは、やってみれば分かりますがけっこう大変です。
では、何が大事かといえば、資金アレンジのコンサル業も、ほかの商売と同じで、商品、要は提供できるサービスで同業他社と同様、差別化しなければならないのは同じです。
たとえばケーキ店があったとして、特別おいしいシュークリームに特化するのか、あるいは大事な人への贈答品専門の店としてのラインナップを揃えるような品揃えにするのかなど、資金アレンジ業も同じです。
私の場合は、私も私が理事を務める社団も、銀行に頼らないファイナンス提供というモットーでサービスし、商品、つまりファイナンスサービスですが、あまり他では取り扱われていない、多くのコンサルタントが知らないものを常に探し、用意するようにしています。
私の場合は、15年もこの仕事一本できたから、人脈は良質かつ豊富だから、数多い種類の専門的なサービスを提供できる体制ができていますが、独立したての場合はそうは行かないと思います。
まずは、シュークリームに特化するように、サービスをセレクトして、そのサービスに関しては、同業他社に追随を許さない専門家になることが肝要だと思います。

資金アレンジコンサルタントを長く継続できない理由の二つ目は、商品も顧客に与えるイメージも差別化できていないからだと思います。
後輩によく言うのは、「自分が得意な、同業他社が取り扱っていないサービス+ニーズが多いサービスで、専門分野を作ることではないかと言うことです。」
posted by bhycom at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

資金調達のコンサルタント業をされる方へ @

10年間書き続けているブログ「思うように資金調達ができない方へ」で次のような記事を書きました。
それは、「同業の後輩に伝えていること」と言うタイトルで書いた次の記事です。
3回に分けて書いていますので転載します。
15年この仕事一筋でやってきたことで得たノウハウと人脈は、自分で言うのも何ですが、こと資金調達のサポートを実現するということでは強力です。
ブログの力もあって新しい顧客と仕事仲間を得ることができ、より豊富なノウハウや多くの人脈を得たことはていへん大きかったと思います。
その結果、継続してこの仕事をやる続けるのはけっこう収入が安定せず難しいのですが、15年続けることができました。
最初は何件成約したかとカウントしていた時期もありますが、成約件数が1000件を超えた時期から数えることを止めました。
最近は制約案件数は多いものの1件あたりの案件のボリューム、言い換えればお手伝いした資金調達の額は小さくなりましたが、リーマンショック前は、10〜20億円レベルの案件を恒常的にやっていましたし、1件当たり最大の資金調達は、120億円の案件も成約しています。。
今年1番大きなボリュームの案件は3億6千万円です。
成功したと胸を張れる状況ではないけれど、これから、資金調達のコンサルタントをやってみようと思う方への参考になればと思い、常々同業の後輩に話していることを書いてみたのです。
また、このようなコンサルタントを利用しようと思われている会社の経営者の方々の、コンサルタント選びの参考にもなるというお声もいただきました。
良かったら3回お付き合いください。

同業の後輩に伝えていること
今日の記事は何か偉そうに思われる内容になるから、書くかどうか少し迷いました。
でも、このブログの読者の中には、会社経営者、金融関係の方と並んで、同業の方も多く、書くことにしました。

同業といっても、資金アレンジを業としている方のスタイルは様々です。
まずは、取り扱う資金調達の種類によっても違います。
公的資金専門の方もいらっしゃいますし、銀行融資中心の方もいらっしゃいまし、助成金が専門の方、リースが専門の方もいます。
あるいは、医療関係が中心とか、パチンコホールが中心と言った様に対象顧客の業種をセグメントして専門的に行っている場合もあります。
そして、資金調達の支援はするものの、事業再生という切り口でビジネスを展開して、その中で資金アレンジを行う方もいらっしゃいますし、マーケティング支援、例えば売上アップ支援と言う切り口の方もいらっしゃいますし、ビジネスマッチングの中のひとつのサービスとして行っていらっしゃる場合もあります。
また、報酬の取り方も違います。
資金アレンジの報酬が中心の方、あるいは顧問料中心の方、着手金や会員料金などが中心の方もいらっしゃいます。
そして私の周辺には、同業の同輩、後輩が数多くいます。
さすがに年齢が高くなってしまったので、私が最年長になってしまったから、先輩はいないのです。
だから先輩面して偉そうに言うのではありませんが、この仕事で成功している方、長く資金アレンジを業として一本でかんばっている方の数は、本当に少ないです。
ほとんどが兼業ですし、専業で3年継続している方は本当にまれです。
なぜなら、多くの場合、案件の数も少なく、成約の案件数も多くないのが常で、この仕事一本だと食い詰める懸念を感じて続けることができなくなる場合が多いのです。
ではなぜ、案件の数自体少なく、成約数も少ないのかと言えば、それは2つの理由があると思います。
一つ目の理由は、リピーターを作るような業務になっていないことです。
つまり、顧客が成約客となって、またご利用いただく。
あるいは案件の紹介をしていただけるような信頼関係が構築できるような体制になっていないのです。
つまり他の業種では当たり前の、儲かる循環システムがきていない場合が多いのです。
そもそも、資金アレンジ仕事は、なんだかんだ言ってブローカーです。
本来ブローカーとは、有価証券などの取引において、売り手と買い手の間に立ち、売買の成立を支援する仲立人さしますが、あらゆる業種に「ブローカー」は存在します。
つまり、顧客への見せ方やアプローチは様々でも、本質的に資金調達アレンジの仕事は金融の紹介で利益を上げる業種なのです。
つまり顧客が希望する資金を紹介できてなんぼの仕事なのです。
ところが、この原則を忘れている同業の後輩が多いのです。
つまり、顧客の希望する資金を紹介して初めて評価され、存在価値があるのです。
逆に言うと、資金を紹介できない場合は、存在価値がまったくないゴミのような存在なのです。
だから、成約数が多くないと、案件数も増えませんし、成約件数も増えないのです。
なのに、成約数を増やす努力をせず、成約による収益がないから、近視眼的に、着手金を取ることが目的になったり、書類作成業者になったり、あるいはあきらめて転業してしまうのです。
もちろん、事業再生のサポートや株式公開サポート、記帳代行、事業計画書などの書類作成と言った具合に、様々なソリューションの中で資金アレンジをすることを否定している訳ではありません。
元々各種ソリューションを事業の中心に考えていらっしゃる方は、その腕も知識も見識も高いので、その存在価値は高いものがあります。
でも、資金調達サポートがうまくいかないから、その集客の方法として事業再生などのソリューションを前面に出したり、運営コスト確保のための方便だったりすると、うまく行かないのは当然なのです。
とにかく資金アレンジを業として継続するためには、金額は小さくてもいいから、まずは成約案件の数を増やすことが大事だと私は思っています。
だから、何十億円の有名案件ばかり追いかけているようなコンサルタントは、成約がないだけでなく顧客からの信用力も高まらず、売上が上がらないのです。
だから質のいい仕事もできず、ひとつの案件にこだわって、悪徳としか思えない法外に高い報酬を要求したり、できない案件を持ちまわって有名案件にしてしまうようなことになって、さらに信用をなくしてしまうのです。
とにかく、資金アレンジで大事なことは、小さな金額でもいいから成約案件と顧客の数を増やすことだと私は考えます。
そしてうまくいかない二つ目の理由です。
それは「競争力あるサービスが用意されていない」ですが、次回に続きます。 

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