実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年08月30日

手形(当座取引)について

もう数年前になりますが、別に10年ほど書いているブログ上で、手形を振出せる当座預金口座は開設しないほうがいいし、利用していない当座預金口座であれば、即刻解約手続きをとったほうが良いと書いたことがあります。
調べてみたら、 「当座預金について」 と言う記事で、なんとそのブログを書き始めた頃の2005年3月15日の記事です。
ここで書いた内容は正論で、平時ならば、この記事の内容でOKだと思います。

実際、手形事故が原因で、銀行から融資を受けることができない会社をいくつも見てきましたし、当座で不渡り事故を起こさなければ、銀行取引停止にはならないから、法的には倒産することがないと言ったように、確かに当座預金はリスクも大きいと言えます。  

しかし、しかしです。
書いた当時と現在の金融環境はまったく様変わりしてしまいました。
民主党政権の頃よりはマシとは言え、まだまだせっかくデフレ脱却するかもしれないと期待してものの、今年の4月の消費増税と第三の矢の成長戦略と言う、新自由主義的構造改革路線が明確になるにつれ、またデフレ状況にまっしぐらのような懸念を抱く状況になってきています。
多分、近い将来、消費税は10%に増税されるものと思います。

2005年当時は普通の中小企業に対しても、メガバンクや地銀がビジネスローンと言う無担保融資を競ってやっていた時期で、当座がある、要は手形振出が可能なことが逆に企業のリスクと見られて、融資にとっては阻害要因になっているケースもありました。
だから、 「当座預金について」  と言うような記事を書いたのです。  

そして現在の話ですが、銀行がプロパー融資を競い合うような状況にはまだなっていません。
まして、10%に消費税が増税され、またまた緊縮財政路線に走れば、長年続いたデフレ状況に、また逆戻りの懸念を感じます。
その結果、信用保証協会の保証付融資や政府系金融機関以外からの無担保融資は、一般の中小企業にとって、非常に難しい状況になる懸念大です。

また、貸金業法が変わって上限金利が15%に抑えられたことや、過払い利息変換リスクが貸金業界に大きな影響を与えたことから、ノンバンクや貸金業者からの無担保融資も壊滅状況になっています。
さらにデフレにより、国内景気が長期間低迷すると、まっとうな経営をしていても、貸し倒れが増えたり、業績が悪化して、リースやリース会社の割賦与信までなくなった企業がまた増える懸念を感じます。 

このように中小企業の金融環境が悪化すれば、普通なら既存取引先の銀行や信金が融資を付けても良いと思える、優良な会社の一時的な資金調達に対しても、また以前のような状況になります。
こうなると、今も決して少なくない中小企業のレスキュー的な案件が増えるのは必至です。
そして、レスキュー的な資金調達を考えた場合、今日、お伝えしたかった話になるのですが、手形を振出せる企業であることは重要な資金調達の条件になっています。

だから、万一利用していない当座預金があっても、レスキュー的な資金調達など必要ないと断言できる会社以外は、絶対に解約しないで欲しいのです。
多くのファイナンスにおいて手形を振出せることが必要条件の場合は多く、決して以前のように当座取引があることがリスクと言うよりは強みになることが多いのです。 

例えば、俗に言う返済原資の確定したブリッジファイナンスにおいても、手形を振出せる会社か否かは、ファイナンスの成約において大きな違いが出てきます。
言い換えれば、手形を振出せない会社は資金調達の選択肢が大幅に狭まってしまうことになっている現実があると言うことをぜひご認識いただきたいと思います。
  
じゃ、当座預金を開設しようと言うことになるのですが、残念ながら、最近は、一般の中小企業に対しては、銀行や信金は当座取引を新規で開設することはほぼないと言った状況になっています。
だから、当座預金がある場合は、解約などしないでいただきたいと思います。
posted by bhycom at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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