実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年08月22日

見た瞬間、融資は難しいと感じる決算書 

資金調達をアレンジする仕事をしているから、数多くの決算書を見る機会があります。
忌憚なく言って、見た瞬間、融資の可能性が高いかどうか判断できます。
ここで言う融資は、公的資金の創業支援とか、不動産担保ローンは除く新規融資のこととご理解ください。
見た瞬間難しいと感じるのは次のような決算書です。

・債務超過
・当期利益が赤字。特に営業利益や経常利益段階で赤字が出ている。
・売上過小(5000万円以下)
・流動比率のバランスが悪い
・流動資産の内容が悪い
 などなどです。

今日は「流動資産の内容が悪い」についてです。
最近、不動産ファイナンスを担当している社団のサービスで、工事代金立替サービスと言う、内装工事のファイナンスがあります。工事代金立替システムのサービスの案件で、年商1億2千万円の会社の決算書を見たのですが、まさに「流動資産の内容が悪い」決算書でした。
売上規模は大きくはありませんが、1億円以上なので、500万円以下のファイナンスであれば問題はありません。
当期利益も黒字ですし、流動比率も問題ないし、保証協会付きの融資もちゃんとあるし、ファイナンス希望額も400万円だから、ここまでのところであれば、成約しそうな決算書の内容です。
ただ、問題は流動資産の内容が悪いのです。
流動資産は7000万円。
でも、現預金がわずか20万円程度しかないのです。
あとは、売掛金が1500万円。
残りはほぼ商品在庫なのです。
つまり商品在庫が5000万円ほどあるのです。
これを見れば、在庫の回転が良くないことが分かります。
もっと言えば、この在庫が本当に5000万円相当の価値が本当にあるのかどうか疑義を感じてしまいます。
普通に考えれば、1億円程度の年商があれば、少なくとも現預金は数百万円程度はないとおかしいのです。
この流動資産の内容を見れば、かなり資金繰りが厳しいことが分かりますので、当然、何かほかに良からぬ情報が決算書にないかどうか見てしまいます。
たとえば未払金の中に、税金や社会保険、あるいは給与の未払がないかどうかとか、減価償却していないのではないかとか・・・・・
そこで見つけたのは、代表者の役員報酬の未払です。
金額は大きくないのですが、毎月の役員報酬の2/3ぐらいですが、この印象は良くありません。
年商が1億2千万円、現預金20万円、そして役員報酬に20数万円の未払がある。
もうこれだけで、すごく資金繰りが悪い会社ではないかと感じてしまうのです。
もちろん資金繰りが悪いから借りるんだといえばそれまでですが、貸す方の立場からすれば、ファイナンス先としてはやばい会社と思わざるを得ないのです。
まだこの会社のファイナンスの可否は出ていません。
ただ、かなりの確立で難しいと思います。
この現預金が極めて少ない決算書の対策は結構簡単です。
あんまり書きたくないことですが、決算月だけも、支払いサイトを変えるとか、極端ですが、期末を過ぎてから支払うようにするとか、確かに支払いが遅れて信用不安を呼ぶこともあるかもしれません。
でも、ファイナンスを希望する会社なら、この程度のことはしてでも、現預金を大きくしておくことは必要です。
極端な決算書で言えば、年商3億円で減預金が8万円の会社がありました。
もちろん、ファイナンスはNGでした。
詳しくは書きませんが、粉飾決算でした。
ファイナンスを受けようとするのであれば、年商にもよりますが、現預金が最低でも数百万円はないと、この1点だけでも現実的にファイナンスは難しくなるとご理解ください。
posted by bhycom at 02:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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