実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年08月15日

金融機関が好む決算書とは 4

不可能な資金調達を求めて広い範囲に情報を拡散している、いわゆる有名案件に非常に多い、質の悪い流動資産の話をします。
まずは流動資産の定義ですが、「企業が保有する資産のうち、決算日の翌日から1年以内に現金化あるいは費用化する資産。」
そして、流動資産とはご存知のように次の勘定科目があります。
・現金・預金
・受取手形
・売掛金
・有価証券
・商品
・その他流動資産 
 前渡金、前払費用、貸付金、仮払金、未収金、短期貸付金、未収収益、前払金、未着品、貸倒引当金など

この中で資金調達が難しい決算書に多いのは、高額な仮払金、短期貸付金、前払金です。
これには2つの種類があります。
一つは代表者や役員、要は社内の個人に対する仮払金、短期貸付金、前払金です。
そしてもう一つは社外への仮払金、短期貸付金、前払金です。
両方とも常識の範囲の額が返済されている場合や精算されている場合は良いのですが、やばい会社の決算書には、高額な仮払金、短期貸付金、前払金が何年も同じ額で動いていなかったり、どんどん増えている傾向があります。
正確に計上する場合は、1年以内に返済されない貸付金は、短期貸付金なら固定資産の長期貸付金で計上しなければなりません。
仮払金や前払金も同様で、何年も精算されていなければ、これは実質的には長期貸付金です。
やばい会社は大体においてどんぶり勘定と言うか、ワンマン経営で社内に一定のルールを厳しく守るような習慣がない、あるいはルールさえない場合もあって、この辺りの勘定科目は本当にいろいろです。
いずれにしても、長期滞留、あるいはどんどん増加基調の仮払金、短期貸付金、前払金は金融機関から厳しい目で見られます。
このことは長期貸付金として計上されている場合でも同じで、ほとんど返済されていなかったり、どんどん増えている場合は、仮払金、短期貸付金、前払金同様、厳しい目で不良資産と判断されます。
要は、銀行など金融機関は仮払金、短期貸付金、前払金などこの項目が、売上と比較して大きい額で計上されていると、非常に大きな懸念材料と判断します。
代表者など社内の個人への貸付金などの規模が大きく、固定化していたら、まずは返済されないものとして、計上されている貸付金は短期であれ長期であれ、資産として勘定しません。
だから、いくら純資産がプラスでも、純資産額よりも貸付金の額が大きい場合は、債務超過企業とみなされるのです。
要は、この1点で融資不適格の会社と判断され融資は不可になります。
そして、さらに代表者に対してお金がルーズな人物という印象を持たれ、これは融資、特に無担保融資の時は致命傷になります。
また、社外への貸付金は社内の個人よりも問題視されることが多いです。
まずは、本業以外のことに会社の資金が使われること自体、金融機関は嫌がるという問題があります。
さらに、コンプラ上の懸念を金融機関は大きく感じるのです。
まして、貸付先がコンプラに抵触するような会社や個人なら、これだけで99%融資はアウトです。
つまり、反社会組織のフロント企業ではないかとか、代表者や会社に何等かの弱みがあってつけ込まれて資金提供しているのではないかと、ものすごく警戒されるのです。
あるいは実質的な会社支配者に資金を還流しているのではないかとも疑われます。
そして、代表者の浮ついた経営姿勢を懸念されることもあります。
だいたいにおいて業績も財務内容も悪い会社に、高額な仮払金、短期貸付金、前払金が多い傾向があります。
要は、先ほども少し触れましたが、本業以外に経営資源を分散するような状況ではないのに、代表者の新し物好きな性格や、良い儲け話に乗せられているのではないか、つまり脇の甘い経営をしていると思われるのです。

結論ですが、高額な流動資産(仮払金、短期貸付金、前払金)は、金融機関からお金を借りる時はの大きな阻害要因になると認識してください。
景気が悪いときはともかく、好景気になって銀行などの融資が積極的に行なわれるようになった時、金融機関が好む決算書を持つ会社と、好まれない決算書を持つ会社とでは、資金調達力に大きな差ができます。
つまり、経営資源のヒト・モノ・カネ・情報の中の重要な経営資源に差がつくことで、良い会社になるか、そうでないかの分岐点になるのが決算書と言っても過言ではありません。
今から2年ぐらいで決算書の内容を良くするよう留意していただければと思います。
なお、代表者貸付が大きくなり過ぎでお困りの場合は保険商品で非常にうまく処理できる方法があります。
社団には保険の天才がいますので、お困りの節はご一報ください。 bhycom@gmail.com
posted by bhycom at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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