実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年08月02日

銀行とノンバンクの不動産の担保評価は違う

次のようなことを体験された方もいらっしゃると思います。
「銀行融資の担保になった不動産なのに、ノンバンクの融資では担保として見られなかったとか、評価が足りないと言われた。
この問題は多くの方が、銀行の不動産担保融資とノンバンクの不動産担保融資の審査ポイントが違うことを理解していないことから生じる疑問点です。
例えば、病院。
銀行は病院に融資する時、たいていの場合、病院の土地建物を担保として取ります。
その後、病院の業績が落ちて財務内容も悪くなり、約定通りの返済が不能になります。
そして、期限の利益が切られ一括返済を迫られます。
こんな時、例えばメガバンクが担保として見てくれている病院の土地建物だから、ノンバンクで借り換えれば事態が打開できると思われるかもしれません。
でも、いわゆる不動産担保融資が専門のノンバンクでの借換はできません。
なぜか?
その答えは、この病院が銀行から受けている融資に不動産を担保として取られているのは、あくまでも形式上の保全であって、そもそも銀行は病院の土地建物に担保価値があるから融資をしたのではないのです。
銀行は病院の与信を前提として融資したのです。
つまり、病院の土地建物に担保を付けたのは補完の為であり、経営者に何かあった時は病院をいただきますよ。
だから、ちゃんと返済してくださいねとプレッシャーをかけているだけで、病院の土地建物は担保を実施することが極めて難しいから、その不動産価値を見て融資を行ったのではないのです。
なぜ病院の土地建物は担保権が実施しにくいかと言うと、それは、患者の存在です。
病院が破たんしたからと言って、患者の人たちに出て行けとは、当然ながら人道上の問題で言えません。
だから、病院の不動産としての価値は、極論を言えば無価値同然なのです。
だから、不動産担保を前提として融資を行うノンバンクでは病院の土地建物を担保対象と見ないから、ノンバンクから融資を受けることができないのです。
これは老人介護施設も同様です。
言い方は少し難しいのですが、ご理解していただけるために誤解を恐れず書くと、社会的に弱者とみられる方々が入院、あるいは入居している不動産は、不動産価値を中心に審査するノンバンクでは融資の対象にならないのです。
このことは病院に限らず、多くの場合でも存在します。
例えば、山林や原野のような物件が銀行融資の担保になっていることがあります。
だから、ノンバンクに借り換えたいと言う相談が時々ありますが、残念ながら、山林や原野は銀行融資の担保になることはあっても、ノンバンクではこのような不動産の価値はゼロと評価するから担保として見れないのです。
だから、よくあるのは、銀行融資1億円の担保となっている不動産が、ノンバンクの不動産担保融資の担保として1億円の価値があるとは言えないのです。
もうお分かりと思いますが、銀行は不動産価値がない物件でも、とりあえず何かあった時のために担保として取るのであって、その銀行融資は不動産価値があったから融資されたのではなく、融資を受けた会社に与信、要は財務内容も業績も将来性も良く、属性にも問題がなかったから融資したのです。
だから本来は無担保融資でも良いのですが、形式上、担保で保全している方が多少は安心と言う観点で、担保価値がない不動産も抵当権をつけているのです。

今日お伝えしたいことは、何かあった時に利用するノンバンクの不動産担保融資を検討する時、銀行融資の担保となっている不動産だからと言って、必ずしも融資を受けることができるか分からないと言うことです。
そして、銀行融資で1億円の融資ができたから言って、ノンバンクでは1億円の融資が可能かどうか分からないと言うことをぜひご認識いただきたいと思います。
でもことことが分かっていないのは利用される方々だけではありません。
資金調達をサポートしているコンサルタントでも、このような基本的なことが分かっていないコンサルタントはけっこういます。
このようなコンサルタントに振り回されて、大変な時間的ロスを受けている案件を本当によく見かけます。
例えば、リゾート地にある山林のような物件で資金調達を相談して、不動産担保融資のノンバンクなら融資をするなどと言われたら、そのコンサルタントとの契約は再考した方が良いと思います。
posted by bhycom at 02:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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