実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年07月30日

未完工リスク

不動産ファイナンスにおいて、ファイナンスを提供する側にとっては常識の話ですが、お客様からすると大して重要なポイントではないと思われているのが、未完工リスクの問題です。
たとえば次のような話です。
中堅デベが開発中の建築代金の中間金を、建築中の物件の担保余力を使って1億円の融資を希望する案件です。
この件では、担保余力がけっこうありますし、債務者となる中堅デベも、銀行からも融資を受けられる程度の与信は持っています。
通常、最近のノンバンクなら、不動産担保融資による資金調達が問題なくできそうなのですが、ここでもうひとつの重要なポイントがあります。
それが、建築工事の未完工リスクです。
つまり、いくら物件に担保余力があり、債務者に問題がなくても、こと工事ということが絡めば、建築施工工事を行っている建設会社がどんな会社であるかということが非常に重要なポイントになるのです。
つまり、建設会社が施工工事中に破綻するリスクがあるかどうかが、この種の案件の場合、非常に重要なポイントになるのです。
ご存知のように、現在それなりの建設会社は受注が多く、中堅デベとはいえ、支払条件や建設費の額によっては、けっこう経営状況が厳しい建設会社に依頼していることもあって、このような場合、物件の担保余力も債務者の与信も問題がなくても、融資が受けることができない状況がけっこうあるのです。
   
また太陽光発電事業の案件でも同じようなことがあります。
ご存知のように太陽光発電事業はFIT事業といって、国の政策で電力の買い取り価格が決まっています。
だから、たとえば、ある企業が太陽光発電施設の開発資金の調達を考えた時、施設が完工すれば売上入金は間違いなく期待できるから、その事業主体になる企業が、無担保でも開発資金の調達が可能な与信の持ち主であれば、なんら問題がありませんが、そうでない場合、事業主体の与信とともに重要となるのが、施設の開発を担当する工事会社の未完工リスクなのです。

要は資金提供する側から言うと、資金は用立てたものの、特に太陽光発電施設の場合、不動産価値はほぼゼロで、開発が終わり完工して初めて価値が出る案件ですから、先のマンションデベの案件よりも未完工リスクについては、ノンバンクやファイナンス会社は神経質になります。
  
不動産ファイナンスや太陽光開発案件において、建築施工工事が絡む場合は、工事を担当する建設工事会社がどのような会社であるかも、非常に重要なポイントになることをご認識いただきたいと思います。
posted by bhycom at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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