実践的資金調達原論 「思うように資金調達ができない方へ」worldheritage512_2_20120529004622.jpg

2014年07月26日

税金、社会保険の滞納リスク 税金滞納で融資ドタキャン

税金を滞納する会社の経営者の方も、好んで滞納していないのは分かります。
でも2ヶ月ほど前の5月中旬、税金滞納が原因で、融資が、融資当日の朝、ドタキャンされると言う、飛んでもないことが起こりました。
私が理事をしている社団アレンジの案件で起きたのですが、利用客からすればまさに悲劇としか言いようがありません。
でも、その原因は冷静に考えれば税金を滞納していることが原因で、融資をストップしなければいけないような問題点を融資当日の朝まで気付かなかったファイナンス会社にも責任はあります。
でも、ファイナンス会社からすれば、融資のリスクを気付いた以上、リスクを知りながら融資ができないのは当然です。
  
その悲劇はどうして起こったか?
けっこう業界では無名ではない会社なので、特定されるまでの詳細情報は書けませんが、数年前に民事再生から復活した会社で、民事再生でも税金は免除されないことから、税金の滞納は現在も続いている会社です。
この中で、弊社団はこの会社の代表者の人柄と、同社の将来性を考慮して、真水の資金数千万円を個人投資家からも提供してもらっており、さらに受注を受けた段階で、某ファイナンス会社から、仕入資金立替サービスを提供していたのです。
面談させていただいたお客様の中には、そんなサービスはまだできないと言ったじゃないかと怒るお客様もいるかもしれませんが、今回の会社のように様々な点から判断して、資金の提供をサービスしても大丈夫と言う確信があれば、異例のファイナンスのアレンジをしています。
今回もそのような案件で、社団の担当責任者含め、側面支援している私にも、この会社なら大丈夫と言う意識があったからサポートしてきたのです。
でも、普通に考えれば、多額の税金の滞納がある会社は常に差し押さえのリスクがあります。
ただ、同社の滞納は民亊再生を余儀なくされた経営をした前代表者が残したものですし、税務当局と現経営者が話し合いをしながら、また1年に1回程度は税務当局の検査を受けながら、売掛債権への差し押さえリスクを回避してきたのです。
だから、懇意のファイナンス会社も、前例のない特殊とも思えるファイナンスにこれまで協力してくれたのです。
ところが、昨晩、ファイナンス会社の代表者が、同社が所有する、現在まったく使用していない不動産に税務当局からの差し押さえを見つけ、これが原因で、不動産とは言え、同社が所有する資産に差し押さえがついている以上、売掛債権にも、いつ差し押さえが入ってもおかしくないと言う理由で、融資当日の朝に、融資がNGになったのです。

資金調達をアレンジしてきた我々にとっても、当該不動産の存在は知っていましたが、地方物件で評価も低く、担保価値もないと判断して、謄本を請求することもなく、その存在さえ頭から抜けていたのです。
それは同社の代表者も同様で、民事再生の過程で、税務当局との話し合いの中で、滞納している手前、この物件への差し押さえについては止む無しという理由で、差し押さえはあるものの心にとめていなかったのです。
これは融資を今まで何度も協力してくれたファイナンス会社にしても、担保価値がないと言う理由でチェックしていなかったのです。
でも、昨日予定していた融資額が、今までよりも大きな額であったこともあったのか、同不動産の謄本をチェックしたことで、ファイナンス会社の代表者が急にリスクを大きく感じてNGになってしまったのです。
当日、数千万円の支払いを予定したいた同社にとって、大変なことが起きてしまったと思います。
   
私も思います。
ファイナンス会社も、もっとNGにするならもっと早くNGにするべきではないかと。
また、融資当日まで気づかなかったのだから、顧客の状況を考えれば、わずか1ヶ月半ぐらいのことだから、目をつぶって、やってくれとは思います。
でも、考えてみれば、この融資は異例な融資でした。
我々も、ファイナンス会社にとって滞納リスクがあるのは承知で、先ほども言いましたが、同社の代表者の人物の良さとビジネスの特性から、強力に根回しし交渉して、「差し押さえリスクは高くない。」「回収のリスクも高くない」と説得して異例の融資をアレンジしていたのです。
だから、昨日起きた融資当日のドタキャンと言う事態について、ファイナンス会社を批判することはできません。
やはり融資当日のドタキャンと言う事態も、元を正せば、税金の滞納があったことが原因で、まして、同社所有の不動産に差し押さえが入っているというのは、資金調達上は最悪な状況であったと言わざるを得ません。
たまたま、その不動産が価値がない地方不動産であったと言うことで、我々も、ファイナンス会社も見忘れていただけなのです。
考えてみれば、売掛債権担保融資のリスクをどう低くして資金調達につなげるか、スキームやリスク軽減ばかりに頭がいき、見忘れていたのです。
でも、現実的に税金滞納による不動産への差し押さえが発覚と言うか、認識されたことで、同社への仕入資金立替サービスは今後できなくなってしまいました。
すでに、事業投資家からの資金調達をある程度準備しているから、こちらの方法に切り替えてやっていく予定ですが、同社の資金繰りが大変苦しくなったのは事実です。
同社の経営が破たんすることはないと判断していますが、会社によっては、こんなことが起きたら、経営破たんにつながった事態であったことは事実です。
とにかく今回のことは、税金の滞納の恐ろしさを再認識させられた事件でした。

読者の皆様にお伝えしたいのは、通常の融資でも滞納があれば、資金調達に与える悪影響は絶対的かつ計り知れません。
税金の滞納、社会保険の滞納リスクを、ぜひ再認識していただきたいと思いました。
posted by bhycom at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 資金調達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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